【回顧・展望】「新聞人」が思いはせるべきこと(1/3) 新幹線に乗ると、一行広告のようなニュースが列車の前部に流れる。近頃のテレビニュースには、情報としてなにかそれと変わらないような印象があって、いつのまにかあまり見なくなっている。 それと逆方向の現象と言っていいのかどうかわからないが、このところ単行本のしおりやはさみ広告に、手書きのものが増えている。 編集者が、かならずしも上手くない、というよりむしろ稚拙な字で手書きした、当該書物や他の刊行本を読んだ感想をしたためている。また、自然食品の店などの広告も、昔懐かしいガリ版印刷したような手書きのものが、気がつけば思いのほか増えている。 この二つの現象につられてふと連想したことがある。「普通」ということばの意味の変遷である。 ○ときめきなくした「普通」ということば 「普通」ということばは、現代ではあまりポジティヴな意味では用い