東京都で受動喫煙防止条例が成立した。これにより喫煙室を設置している店以外の従業員を雇う飲食店でタバコを吸うことができなくなる。この問題に関するネット上の意見では「タバコにそれほど害があるのなら販売を禁止すればいい」というものが多い。なぜ政府や行政は害のあるタバコを野放しにしているのだろうか。 政府が広めた喫煙習慣 タバコが国策に利用されたのは日本では日清日露戦争の前後からだ。明治政府はタバコ税を確実に収税して戦費の足しにしようと考え、タバコを専売制にする。 タバコと戦争は切っても切れない関係にある。例えば、1894(明治27)〜1895(明治28)年の日清戦争ではタバコ(主に紙巻き)が出征兵士への慰問品になり、日露戦争開戦前年の1903(明治36)年と開戦した1904(明治37)年の総税額中に占めるたばこ税の割合は、8.5%から11.5%に増えた。その後、15年戦争が始まる頃まで、この割合