Summary ・70歳以上の肺炎は抗菌薬が進歩しても予後は改善しておらず,その原因は宿主の状態にあり,特に誤嚥は予後不良因子である. ・医療介護関連肺炎分類による抗菌薬の推奨は根拠が乏しく,広域抗菌薬の乱用につながりかねない. ・超高齢者肺炎は心不全,嚥下機能障害を含む廃用症候群,認知症,低栄養状態,電解質異常などを合併した,加齢に伴う種々の機能低下であるfrailty,あるいはpost-frailtyの状態を呈する症候群であり,感染症のみでとらえるべきではない. ・抗菌薬治療は延命効果と急性期の症状緩和効果がある一方で,長期のQOLを悪化させる要因になりえ,入院治療はさらに長期QOLを悪化しうる. ・その一方で,終末期の緩和ケアであれば,苦痛緩和目的での抗菌薬治療も有効であれば許容されるべきかもしれない.その上でオピオイドをはじめとする症状緩和も併用されるべきであろう. ・急性期病院に