キリスト教は現在、世界で最も多くの信者を擁する宗教です。そこに至った大きな理由の1つに、特に大航海時代以降は、欧州の強国が植民地を広げる過程でキリスト教を広げたという事情があります。ただ、あまり長いスパンをとると焦点がややぼやけてしまいますので、今回は、キリスト教が成立した頃から、ローマ帝国の国教となった4世紀頃までに関して考察したいと思います。 よく知られているように、キリスト教は元々ユダヤ教を母体として生まれました。そして7世紀に生まれるイスラム教のいずれも、すべて同じ神をいただく「兄弟宗教」です。呼び名は各宗教ですべて異なりますが、基本的に同一の神(人格神)が主役です。 さて、ユダヤ教がユダヤ民族という狭い範囲にとどまったのに対し、なぜキリスト教はあっという間に信者の数で追い抜き、またパレスチナ地方だけではなく、ヨーロッパの地に広がって行ったのでしょうか。まず、ターゲット、ポジショニ
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