ADHDの患者が急増する一方、その治療薬は不足している Photo: Trevor Williams / Getty Images どこを探しても薬がない 米国では、ADHD(注意欠如・多動性障がい)の人たちの多くが、精神刺激薬のアデロール(日本では未承認)を頼っている。このアデロールが不足していると米国食品医薬品局(FDA)が発表したのは、2022年10月のことだった。 だが、深刻な状況はいまも続いており、常に薬が足りておらず、困っている人が大勢いる。何十軒もの薬局に電話し、車を走らせて探し回るも、手に入らないという。「独立系薬局の経営者の97%が、2023年初めにはアデロール不足を報告した」と米誌「インク」は報じている。 米「CBS」によれば、その主な原因は「ADHD治療を必要とする患者からの薬の需要の高まりと、政府による供給制限」だ。「新型コロナのパンデミックを境に、ADHD治療薬の