春が煙っておる。なんか立ち込めている。 何でもないよな一面をさあっと塗ったようなこんな空も、 ゴッホには、 うろこみたいに、飛び出して、 それは憂う活力を持ち、美しく、強く、見えておったんやろうか。 春がこんこんと煙る中 私は、 ゴッホにゆうたりたい。 めっちゃゆうたりたい。 今はな、あんたの絵をな、観にな、 世界中から人がいっぱい集まってな、ほんですんごいでっかいとこで 展覧会してな、みんながええええゆうてな、ほんでな、どっかの金持ちはな、 あんたの絵が欲しいってゆうて何十億円も出して、みんなで競ってな、なんかそんなことになってんねんで、 パンも食べれんかったし最後のパンも消しゴム代わりに使ってな、 あの時もどの時も、あんたはいっつもおなじように、描いててな、苦しかったな、 才能って言葉は使わんとくな、なんかの誰からかの命令なんかな、 なんか使命なんかな、 多分絶対消えへんなんか恐ろしい