昨日の未明にTwitterで書いたことを整理して掲載。 さて高橋亀吉と森垣淑『昭和金融恐慌史』(講談社学術文庫)は、容易に入手可能なので読んでいただきたいが、そこには関東大震災の与えた影響が克明に描かれている。日本経済への打撃は、(原発問題自体の推移がよく判断しかねるが)関東大震災のショックがいかに強烈だったかがわかる。 日本経済は第一次世界大戦の「バブル」から本格的に回復することなく、自らの政策の失敗と国際的な経済環境の悪化により「二重の打撃」を受けている状態にあった*1。そこに関東大震災が猛烈なショックとなってあらわれた。高橋のあげたデータではその損失は45億円、当時の国家財政規模20億円を軽く上回る。 ちょっと研究室(群馬で崩壊中)にいかないと正確なデータがないが、高橋らの著作によれば震災の復興のための公債発行は11億円(当時の財政規模の50%超)、外債発行(5億5千万円)、また(今
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