米国のアーミテージ元国務副長官とナイ元国防次官補ら超党派グループが最近、日米同盟に関する報告書「The U.S.-Japan Alliance」をまとめた。2000年と07年に続いて第3次の「アーミテージ報告」と呼ばれるリポートは、今後の日米関係を占ううえで基礎となる文献として各方面から注目されている。 論点はエネルギー安全保障から経済・貿易、近隣諸国との関係、新たな安全保障戦略など多岐にわたる。ここですべては網羅できないが、私の独断と偏見で興味深いと思われる論点をいくつか紹介する。 「指導者を選ぶことで一流国のステータスを維持できる」 まず日本の位置づけだ。報告は冒頭で「一流国」の条件として大きな経済力と軍事力、グローバルなビジョン、国際問題に関する指導力の4点を挙げている。そのうえで高齢化や出生率の低下、巨額の公的債務、日本の若者の間に広がる悲観論と内向き志向などを背景に、冒頭で「日本