突き詰めれば「国際機関はいかにあるべきか」「国際社会の公正さとは何か」という問題だろうか。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が総会でパレスチナの正式加盟の是非を諮り、賛成107、反対14、棄権52の大差で可決した。すると反対票を投じた米国が反発し、ユネスコへの分担金(当面約48億円)凍結を発表したため、ユネスコが機能不全に陥ることが懸念されている。 米国は80年代にユネスコの姿勢を批判して脱退し、03年に復帰した。しばしば国連への分担金支払いを凍結、滞納してきた経緯もある。今回の凍結についても、自国の主張が通らないから分担金を払わないというのはおとなげないと言うしかない。パレスチナ関係の国内法による措置とはいえ、オバマ政権の国際協調路線に照らしても違和感がある。 パレスチナのユネスコ加盟は、イスラエルに占領されてきたヨルダン川西岸などの文化遺産を守る目的もある。だが、国連で「オブザーバー」