フィリピンでは、政府軍とイスラム武装組織との紛争が続いてきた南部・ミンダナオ島で日本人が現地のイスラムの人たちの生活を支援しようと日本のソバを栽培する取り組みが本格化しています。 この取り組みは、ミンダナオに住む日本人、天野洋一さん(71)と住川武禧さん(71)が日本の食品加工会社の支援を得て7年前から始めたもので、現地の人たちと協力してソバの実を栽培しています。 ミンダナオでは40年以上にわたり、分離独立を求めるイスラム武装組織が政府軍と戦闘を続け6万人以上が死亡しましたが、ことし3月、イスラム系の住民が多く住む地域に自治政府を設立することを条件に、フィリピン政府との間で和平合意が成立しました。 しかし、これらの地域では長年の紛争で開発が立ち遅れ、国内で最も貧しいと言われるほか、1万人を超えるとみられるイスラム武装組織の兵士たちの武装解除と、その後の生活再建が大きな課題になっています。