全国民必読「街場のメディア論」2011 内田樹「新・格差社会情報貴族と情報難民」 新聞・テレビ・雑誌よ、キミたちの言論に何の担保があるというのか マスコミの報道ひとつで、検事総長のクビも、大臣のクビも吹っ飛ぶ。でも何かが違う。安全地帯からひたすら石を投げるマスメディア。そのあり方は古すぎるし、害悪ですらあると、内田氏は話す。 壊すことに酔うメディア 一連の検察不祥事の責任をとって、検事総長が辞任するそうです。しかしこれで検察のシステムが改善されるかどうかはわかりません。 「検事総長のクビをとった」ことをメディアが自分たちの「戦果」だとして、そのことにある種の満足感や達成感を覚えているのだとしたら、それはむしろ危険なことだと思います。全能感に人間はすぐに「アディクト」(中毒)するようになるからです。 メディアは次々と血祭りにあげる獲物を探し続けるようになる。そのときにはもう、検察の組織改革の