アマゾン・キンドル、iPad、ソニー・リーダーなどの登場によって、電子書籍市場が盛り上がりを見せている。 日本市場では先行発売の形になったアマゾン・キンドルを買い、現時点では50冊くらいの英語の本を入れて読んでいる私自身の経験からすれば、電子書籍への移行は必然だと思う。 たとえば、次のようなこと。私は、同時並列的に複数の本を読むことが多い。従来、紙の本だと、読みさしのものをどこに置いたかわからなくなって、「読みたい」という時にすぐに見つからず、フラストレーションがたまっていた。 自分の脳が、ある特定の本をいつ「読みたい」と思うかわからない。その時に、すぐに読めるというタイム・ラグのなさが、電子書籍の圧倒的に優位な点である。 また、夏目漱石全集、シェークスピア全集、小林秀雄全集などの全集ものも、電子書籍ならば出しやすいし、読みやすい。そのうち、著作権が切れたテクストを集めて、明治傑作小説10