取材のきっかけは、娘の通うこども園のPTA会長になったことだった。 共働きで、フルタイム会社員の自分にとって、これまでPTAは「避けて通るべきもの」のはずだった。しかし、PTAの担い手不足で、はからずも自分にその役回りがやってきたのだ。 その時、園から漏れ聞こえた声は「どこの園も、PTAをやってくれる人がいなくて困っている」という悲痛な叫びだった。 それならばと現状を取材することにした。 PTA廃止で入園希望者増加最初に行ったのは、県内の私立幼稚園を対象にしたアンケート調査だ。 すると、回答があった52園のうち、すでに8園がPTAを廃止にしていた。さらに「困っている」と答えた園が12園。 「課題がある」が6園など、実に半分の園がPTAの運営に苦慮する実態が明らかになった。 アンケートのコメント欄からは、 「共働きの増加で、役員をいかに引き受けないようにするかを考える保護者が増えている」 「