日本大が2022~23年度、学内の清掃や警備業務の委託先と契約する際、必要な入札を実施しなかったり、意中の業者に最低価格を漏らして受注させたりするなど不適切な選定手続きをしていたことが、毎日新聞が入手した「内部監査実施報告書」で判明した。報告書は法学部など5学部と本部総務課がそれぞれ結んだ33件の契約で「重大な不備」か「それに類する事項」があったと指摘。日大は弁護士を指定して調査を開始し、関係職員の処分も検討するとしている。 日大では21年、元理事長や元理事が脱税や背任容疑で逮捕され、元理事の指示で特定の業者との癒着ともいえる不適切な契約が横行していた実態が明らかになった。日大はガバナンス(組織統治)の強化を掲げ、不正の舞台となった関連会社「日本大学事業部」を解体したが、一部で同じ体質が残っていることが今回の報告書で露呈した。