『詩学』第2節で、アリストテレスは、それが描写している対象によって、文学作品を分類することを提案している。文学作品に登場する人物は、「優れているa higher type」か「劣っているa lower type」のいずれかであり、それによって区別することができるだろう、と。ところで英語ではgoodnessとbadnessと訳され、道徳的文学観による価値判断を表すかに見える語は、アリストテレスが使った語ではσπουδαιοsとφαλωsであるが、これは元々単に「重い」と「軽い」を意味する語だった。(「重い」→「忙しい」→「重要な」→「卓越した」/「軽い」→「つまらない」→「劣った」)。 ノースロップ・フライはこれを取り上げて、今でも文学の分類に使えないかと考えた。「重文学」と「軽文学」といった分類ではない(そんなのは、明示的でないだけで、今でもよく使われている)。フライが提案するのはもっと単
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