『コクリコ坂から』鑑賞。 細部にまでこだわりぬいた映像を「もったいないなぁ」と思わせるくらいの短いカットで紡ぎ、さらに大胆に描写を省略するなど、日本映画ならではのおもしろさがあったことはまず評価に値する。 特に主人公/男の子のキャラクターが赤木圭一郎みたいな古き良き男前だったのには好感が持てた。「リア充映画だ!」と騒ぎ立てられているが、作品は学生運動を取り上げているため、実際のところ、先頭に立つリーダーはカリスマ性やある種のかっこよさが必要であり、声もV6の岡田くんにさせたことは正解だったように思う。圧倒的な美術のリアリティは郷愁感を超えた映画的な興奮が詰まっており、基本的にはそれに圧倒されること必至だろう。 ――――が、『コクリコ坂から』は「動き」としてのアニメーションの魅力がかなり薄い。そもそもキャラクターたちに恐ろしいほど生命感がないのだ。 宮崎駿のそれと比べれば一目瞭然なのだが、宮
![押井守が予言したジブリの未来『コクリコ坂から』 - シン・くりごはんが嫌い](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/370762064c670241e4e524940089019e98ba2227/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fk%2Fkatokitiz%2F20110720%2F20110720190346.jpg)