奥田英朗さんの「空中ブランコ」。 精神病患者に滅茶苦茶な治療を施す愚鈍な精神科医のコメディ短編集。 2009年秋のノイタミナは何かしらー…とインターネットで検索してみたら、この「空中ブランコ」だったので、懐かしくなって紹介します。 精神病患者を笑いにするっていうのは、ある意味で少しヒンシュクを買いそうなテーマですが、実際には誰もが持っている悩みの延長がネタになっています。 例えばボクなら「犬が怖い」とか「足が取れる系の虫には触れない」とか「プルーンが食べられない」とか。そういうレベルの悩みって、誰にでもきっとあって、別に発表しなくてもふつうに生活出来るし、病気というよりは単なる「ナーバス」。 それでも、直せるもんなら直したいと思うのが人情で、この短編集に出てくる患者は「切に直したい」と願っている人たちです。 ・相方を信用出来なくなったサーカスの空中ブランコのり ・先端恐怖症のヤクザ