話題になっている東浩紀氏の「一般意志2.0」にいろいろとインスパイアされることがあったので、私が関わっている医療業界や患者医師関係のことに敷衍しながら思いつきを述べてみたいと思います。 本書では、ルソーの「社会契約論」で提示された「一般意志」をフロイト流の無意識のデータベースと捉え、それを従来からの熟議型コミュニケーションと共存させる新しい民主主義の形が提唱されています。無意識のデータベースとしてグーグル、ツイッターなどのネット社会が「アーキテクチャ(情報環境の設計)」を提供してくれているというわけです。(不正確な要約かもしれませんので、くわしくは原文をあたってください) ここで一般意志2.0と称されるものは個人の意志の合計である「全体意思」のようなスカラの和ではなく、相殺されたものを除いた上で残る差異の和でありベクトル和と定義されています。また序文で東氏は「私たちはもはや、自分たちに向か