この事件でいうべきなのは「スペクタクルだから」ではなく、「スペクタクルへ」であろう。 スペクタクルとは事後的に発見されるものだからである。 ハイジャック犯がたまたま狙ったツインタワーが、アメリカ・グローバリズムの象徴に「なった」ように、この事件で名実ともにアキハバラが日本の中心であることが、日本の象徴的中心であることが「証明」されたわけだ。 だがその「証明」も、ある種の実感を元に形成されていることは否定できない。 どこかの地方都市ではなく、日本の首都である東京、その象徴的中心であるアキハバラが狙われたことの意味をくみ取らなければならない。 なぜ、アキハバラか。アキハバラとは何か。 経済的中心である東京に位置するアキハバラ。「クールジャパン」という輸出産業の象徴アキハバラ。電気製品とオタク文化を同時に体感できる観光地アキハバラ。あるいは、ソフトパワー外交の象徴アキハバラ。 現代日本の文化的中
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