日本については、何をしなければいけないかは誰もが承知しているとよく言われる。あと必要なのは実行に移す気概を持ったリーダーだけだという。これは概して実体のない主張である。 過去20年間で16人目の首相に就任した菅直人氏は、その大半が短命に終わった前任者たちと全く同じ問題に直面している。日本経済はデフレから抜け出せず、公的債務残高は増える一方で、人口の高齢化は一段と進んでいる。 おまけに終戦から60年以上経ったにもかかわらず、この国は世界における適切な立ち位置をまだ見極められずにいる。 歴代首相が問題に手をつけられなかった理由 ほとんどの場合、この間首相の座に就いた人々が一連の問題に手をつけられなかったのは、力が弱かったからではなく(強い人はほとんどいなかったが)、愚鈍だったからでもない(そうだった人も中にはいたかもしれないが)。本当の理由は2つあり、これらは互いに結びついている。 第1の理由