米系大手投資銀行における巨額報酬は今やあまりにも有名で、投資銀行という名前だけは誰しもが一度は聞いたことがあるだろうが、では実際投資銀行というのはどのような仕事をするところなのかという点については、あまり明らかになっていないように思う。 うっかり投資銀行に憧れてしまっている学生諸君や、巨額報酬への妬みから投資銀行への敵対心を抱いているものの内情を知らないためにうまい批判も出来ずに不満を鬱積させているネット難民諸君のために、投資銀行という仕事の内情について少し書いてみることにする。 表向きの価値 狭義の投資銀行というのは、名前の割には投資もしないし銀行でもなく、じゃあ何をするのかと言えば企業の新株発行における株式の引受業務や、企業同士の合併・買収(M&A)におけるアドバイザリー業務が代表的なのであって、要するに日本語で言えば証券会社の法人部門であるという話は以前書いた。 さて、こうした株式の