NECが打ち出した独自のアーキテクチャー 日本のPC市場で、かつて10数年にわたって過半数のシェアを占め続けた製品シリーズがあった。1980年代前半から90年代後半まで、この市場のガリバー的な存在として産業そのものの形成に大きく貢献したNEC PCの源流「PC-9800シリーズ(以下、PC-98)」がそれだ。 80年代前半、国内ではまだPCなんてマニア向けと思われていた中で、NECはこのPC-98を擁して地道な人海戦術で販売網を開拓し、数多くの独立系ハード/ソフトベンダー(IHV/ISV)と連携することによって新たなビジネス構造を築き上げてきた。技術的には米国製品の先進トレンドをにらみながら、常に競合他社に先駆けてグレードアップを重ねる一方、漢字処理など日本文化に合わせた機能を早くから取り込んできた。ただPC-98はそうしたハイテク製品というより、幅広く大衆に受け入れられた「偉大なる凡機」
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