かわいいフィアットくんの恩恵に、私まであやかっている。 例えば、信号待ちをしているときに、横断歩道を渡るジョギングのお姉さんに「キュート!」と声をかけられたり、フリーウェイの合流点でSUVのおっさんに「どうぞ!」と先を譲ってもらえたり。 そのたびに私はフィアットくんと「かわいいからだね」と得意気になるのである。 こんなこともあった。 ある朝、オフィスの駐車場のおじさん(注:マリオ似)が駆け寄ってきて、この車はいくらしたんだと聞く。 なんでも最近、駐車場にとまっているフィアットを見て「なんてナイスな車なんだ。一体これはいくらなんだ?」と聞いてくる人が続出し、おじさんは困っているという。値段を言うと、「ありがとう、これからはそう答えるよ」と笑う気のいいマリオ。こうなったら、マリオと2人でディーラーから紹介料を取ろうかな。 また、こんなこともあった。 会社帰りの夜道、ラシエネガ・ブルバードで信号