漢語に関するinudaishoのブックマーク (1)

  • 中島敦 『山月記・李陵 他九篇』 - 書籍之海 漂流記

    漢の武帝の天漢二年秋九月、騎都尉・李陵は歩卒五千を率い、辺塞遮虜鄣を発して北へ向かった。阿爾泰山脈の東南端が戈壁沙漠に没せんとする辺の磽确たる丘陵地帯を縫って北行すること三十日。朔風は戎衣を吹いて寒く、如何にも万里孤軍来るの感が深い。 (「李陵」冒頭 書6頁) 漢語は思考を停止させる。「辺塞遮虜鄣」はなんだかよくわからないが、出発するからには場所の名だろうし、「辺塞」とあるからにはたぶん「とりで」のことだろう、「磽确」というのもよくわからないが、いかにもごつごつした荒れはてた感じの音のことばだからたぶんそんな意味だろう、石がへんについているし。「朔風」はそんな荒野に吹いている風のことかしらん、「戎衣」はとにかく着ている服のことにちがいない。中島敦の中国物は、こんな誑かしの上に成り立っている。この岩波文庫版では懇切丁寧にルビがいちいちついているが――中島敦の原稿にもとから付せられていたのか

    中島敦 『山月記・李陵 他九篇』 - 書籍之海 漂流記
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