東北大学と理化学研究所(理研)は、骨髄間葉系幹細胞(骨髄中に存在する幹細胞)からドーパミン神経細胞の誘導に成功し、パーキンソン病モデルのサルの脳内への移植を行ったところ、運動障害などが改善されるとともに、長期にわたり腫瘍形成や副作用が現れないことを明らかにしたと発表した。 同成果は同大大学院医学系研究科の出澤真理 教授と理研 分子イメージング科学研究センターの林拓也 副チームリーダーらのグループによるもので、米国の科学雑誌「Journal of Clinical Investigation」(2013年1月号)の掲載に先立ち、オンライン版に掲載された。 パーキンソン病やアルツハイマー型認知症を含む神経変性疾患では、神経細胞がゆっくりと死に至ることで運動機能や認知機能の低下をきたす。こうした神経細胞死の原因は未だ十分な解明が進んでおらずその予防も困難で、脱落した神経細胞を補充し組織を再生させ