<sui-setsu> 最長政権を研究対象にした「検証 安倍政権」が先月、文春新書から出版された。アジア・パシフィック・イニシアティブ(船橋洋一理事長)が企画し、9人の学者が執筆を分担している。 7年8カ月に及んだ第2次安倍政権には多様な表情とノイズがある。「実績」をたたえるだけのような章もあったが、境家史郎・東京大教授による「選挙・世論対策」の章は、例の「悪夢」発言の功罪をうまく解きほぐしている。 露骨な野党バッシングとして人びとの記憶に残る「悪夢のような民主党政権」は、参院選を控えた2019年2月に安倍晋三首相(当時)の口から飛び出した。