冤罪をへらすことはできるか? この2~3年、改めて冤罪についての論議が盛んになった。鹿児島県志布志事件の全員無罪・特別公務員暴行凌虐罪による警察官有罪・国家賠償請求、そして富山県氷見事件の検察官による再審請求・国賠訴訟、さらに追い打ちをかけて栃木県足利事件のDNA型再鑑定・釈放・再審開始、茨城県布川事件の再審開始決定と続いた。おりから裁判員裁判制度の発足と重なって、裁判員は冤罪を見抜くことができるか? 冤罪で死刑判決になったらどうする? といった一般的な不安も拡がっている。新聞やテレビも冤罪を扱うことが以前よりも多くなってはいる。しかしごく一部の優秀な記者によるもの以外は、うわすべりして冤罪の本質・真の実態をえぐるものが少ない。冤罪は減るどころか、ますます増えるのではないかというのが私たちの危惧だ。 冤罪とは何か? むろん警察官や検察官の単なるミスではない。彼らはいかようにも言い訳を考えて