8番目の「首の骨」がキリンの行動に与える利点 第一胸椎が「首の骨」として首の運動に関与することで、頭が届く範囲は約50 cmも広がる。これにより、「高いところの葉を食べる」「低いところの水を飲む」というキリン特有の相反する要求を同時に満たすことが可能となっている。 © 2016 Megu Gunji. 東京大学大学院農学生命科学研究科の郡司芽久大学院生と遠藤秀紀教授の研究グループは、本来胴体の一部である第一胸椎が、キリンでは8番目の「首の骨」として首の運動に関与していることを明らかにしました。8番目の「首の骨」はキリンの首の柔軟性を高め、「高いところの葉を食べる」と同時に「低いところの水を飲む」ことを可能にしました。 キリンは、非常に長く柔軟な首が特徴的な生き物です。しかし、キリンの首を構成する骨である「頸椎」の数は、わたしたちヒトと同じく7個です。これまでの研究では、キリンの首が動く時、