コロナ禍が続く2022年現在。コロナ禍となってから約2年の月日が流れる中、日本のエンタメ界にもさまざまな変化が訪れている。配信プラットフォーム興隆によるドラマの在り方の変化、これまで見過ごされてきたテーマ、価値観を再考するような作品も増え、作り手たちの強い意識が垣間見える。長くテレビドラマ・映画に触れてきたライターの成馬零一氏と西森路代氏に、2021年の振り返りと2022年のエンタメ界について語り合ってもらった。 2021年のドラマに顕著だった“距離感” ーー成馬さんは2021年~2022年のエンタメ作品の傾向をどのように考えていますか? 成馬零一(以下、成馬):リアルサウンドの年末企画「2021年のベストドラマ」で、「他人とは共有することができない言語化が難しい感情、恋人や家族といった既存の概念では定義することが難しい人間関係や、今までにない個人の生き様を、ドラマならではの映像表現で描こ