政府や三菱重工業などの官民連合がトルコの原子力発電所の建設計画を断念する。福島第1原発事故を機に安全対策コストが跳ね上がり、官民一体で進めてきた原発輸出は袋小路に入った。新設が見込めない国内は事業縮小が相次ぎ、次世代の原子炉開発も暗礁に乗り上げている。日本の原発事業を支える技術力の維持に黄信号がともる。トルコでの原発計画は2013年に安倍晋三首相とエルドアン首相(現大統領)の良好な関係をもとに
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政府と三菱重工業が、共同で進めてきたトルコへの原発輸出を断念する方向で検討に入ったことが四日わかった。関係筋が明らかにした。建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込みとなり、安価な建設を求めるトルコ側との交渉が難航しているためだ。安倍晋三政権は原発の海外輸出を成長戦略の柱に掲げており、トルコへの輸出計画が頓挫すれば戦略の見直しは避けられなくなる。 (吉田通夫) トルコへの輸出は安倍首相と当時首相だったエルドアン現大統領が二〇一三年に会談して合意。三菱重工を中心とする企業連合が四基を建設する予定だった。 当初の事業費は二百二十億ドル(二・五兆円)とされ、一七年に着工する予定だった。しかし、東京電力福島第一原発の事故後に求められた安全対策のために建設費が高騰。今年七月末には、三菱重工が総事業費が当初の二倍にあたる五兆円にのぼる見通しとなったとする調査報告書をまとめ、日本とトルコの両政府に検討
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