厚労省の担当者が小豆川さんに送ったメール。〈人員が限られている中、他業務との兼ね合いもあります〉とも書かれている(小豆川勝見さん提供)この記事の写真をすべて見る 厚生労働省が公表した食品の放射線量の測定値に誤りがあると東大助教が指摘した。だが、ずさんな扱いをされたデータが2カ月近く放置され、風評被害にもつながっている。 * * * 毎月勤労統計の不正調査問題に続き厚生労働省のずさんなデータの取り扱いが発覚した。食品中の放射性物質の検査結果だ。 「偽装というより、想像力の欠如に起因するもの。偽装というと『悪いことを良いように見せかける』という意味が強いと思いますが、今回はその逆。しかも結果がどう伝わるか、想像できていない」 こう指摘するのは、東京大学大学院助教の小豆川勝見(しょうずがわ・かつみ)さん(環境分析化学)だ。 厚労省は2011年の東京電力福島第一原発事故以降、全国の自治体で実施