開発したロボットハンドを実際に動かす粕谷社長(東京都渋谷区) 猫の手も借りたい-。忙しさが高じて思わずつぶやいても、本気で3本目の腕がほしいと願う人は多くはいないだろう。だが、この夢を実現しようとしているベンチャー企業がある。「腕がもう1本あれば作業も効率的にできる。2本腕は不自由」。社長の男性は語る。いったいどんな未来を思い描いているのか…。 腕にセンサーを着けた記者が手をグーの形にすると、ウィーンという音をたててすぐそばのロボットハンドが同じ形を取った。複雑な操作は必要なく、精巧な動きと比べて拍子抜けした。東京都渋谷区。古めかしいマンションの一室にあるベンチャー企業「メルティンMMI」のオフィスだ。 「のどなど腕以外にセンサーを着けても操作できる。将来、掃除機をかけながら離れた台所に置いたロボットハンドで皿を片付けられるようになります」。粕谷昌宏社長(29)が説明してくれた。筋肉に生じ