何が変わるのか? これまで金融の世界では、取引記録を「信頼できる第三者」(民間銀行、中央銀行、証券決済機関など)が、中央型帳簿(中央データベース)を使って集中的に管理するというのが一般的であった(図3の①)。これがDLTを使って、各ユーザーが分散して管理できるようになれば、金融取引をリアルタイムで、しかも劇的に低いコストで行うことが可能になるものとみられている(図3の②)。 つまり、「中央型帳簿」(セントラル・レッジャー)から「分散型帳簿」(ディストリビューテッド・レッジャー)に移行することにより、グローバルな送金システムの構築や決済インフラの革新につながる可能性があるということだ。 これは、金融機関の業務を大きく変えるだけでなく、そうした金融サービスのエンド・ユーザーである企業や個人などにとっても、取引コストの低下などを通じて、幅広く恩恵をもたらすものとなる。つまり、DLTの導入によって