技術や品質が「下」だとみくびっていた相手に、いつの間にか追い抜かれてしまう。そんな悪夢が再び繰り返されてしまうのだろうか。 最近、さまざまなメディアや専門家の間で、「日本のアニメ産業が海外で負けてしまうのでは」という脅威論が唱えられることが多くなってきた。 ご存じのように、アニメといえば日本のお家芸。ジブリにワンピース、進撃の巨人、最近では鬼滅の刃に呪術廻戦など、海外でも人気のアニメ作品は例を挙げればキリがない。が、そんな「世界一のアニメ大国」の座を、中国や韓国が脅かしつつあるというのだ。 根拠として指摘されるのは、近年、日本でアニメ制作を学んだ中国・韓国のクリエイターが帰国後、高いクオリティーの作品をつくっていることがある。また、世界に名だたる低賃金労働国家ニッポンの中でも、アニメ制作現場の過酷な労働環境は群を抜いており、ブラック労働に嫌気がさした技術者たちの「海外流出」が始まっているこ