3.3.2 オブジェクト指向データベース(1) オブジェクト指向データーベース出現の背景 オブジェクト指向データベース(OODB:Object-Oriented Dtatabase)出現の背景はオブジェクト指向のシステム開発およびプログラミングの急速な浸透と発展において，アプリケーションプログラムが生成したオブジェクトを保存し，永続化する必要に迫られてきた。当初は，RDBMSを用いてオブジェクトを管理する方法が取られたが，この方法はオブジェクト指向の根幹であるカプセル化の原則を壊すこととなり，なんとしてでもカプセル化されたままの状態でオブジェクトを保存するための仕組みが必要であった。そこで開発されたのがOODBMSである。一方，これとは異なる要求として，既存のDBMSが採用しているデータモデルではデータ構造を表現することが困難なデータ構造を持つ世界が存在し，この構造を簡潔に表現したいという要求があった。 1980年代後半に
