5年前から、大手コンビニエンスチェーンで16万人を率いる経営者・新浪剛史が、一番の課題と考えているのが、社員の意識改革。「1兆4千億の企業を成長させるには、一人じゃどうにもならない。そのためには一人一人に考えてもらうこと」 しかし、長らくトップダウンでやってきた社員の意識を変えるのは、容易ではない。この日も新浪は自社開発商品の試食会の場で、商品をなぜ売り出すのか、深く考えたのかと激しい口調で社員に迫った。しかし、商品化を止めろとは言わない。社員が自ら考えた新商品、売り出すかどうかも社員に考えさせる。一人一人が考えて納得した上で行動するプロセスが、大切だと新浪は考える。 毎年、売り上げを伸ばし、好調と言われるコンビニエンスチェーンだが、実は構造的な問題を抱えている。本部は、新規店舗を増やすことで売り上げを伸ばし続けてきたが、各社の出店競争が激化するなか、各加盟店の売り上げは、7年連続で落ち