【ソウル=前田泰広】日本から強制送還された韓国人の女(51)が指紋照合で身元を確認するバイオ審査をくぐり抜け、日本に再入国していた事件で、女が指紋を変造するために使った特殊なテープと同種のテープを、韓国警察が、不法入国をあっせんする組織の元ブローカーから入手していたことがわかった。 元ブローカーは「仲間からテープの製造法を聞いた」と供述しているという。韓国警察は、テープが韓国の闇社会に広く出回っているとみて、ほかにもテープを使って日本に不法入国したケースがないか調べている。 韓国警察にテープを提供したのは、過去に旅券偽造容疑で摘発されたことのある50歳代の韓国人の男。 捜査関係者によると、この男は今月初め、韓国警察の事情聴取に応じ、自分が作ったという特殊なテープを任意提出したうえ、シリコーン樹脂を使ったテープの作り方を説明したという。 韓国では、指紋を登録すれば、登記簿謄本などを受け取れる