しかし、世間の商業歌謡曲ではなくこういう音楽を好きならば、リスナーの人もプライドを持って聞いてほしい、とも思う。渋谷の宇田川町の素晴らしいレコード屋がなくなるのは、そういうリスナーのプライドが欠落している部分にもあると思う。プライドがあれば、安いというだけで店を選ばないはず。例えば、最近の地方の店では商品をチェックして携帯で東京のレコード屋のサイトで安く買うらしい。これはもう完全プライドなしですよね。本来なら客からのリスペクトを購買という行為で表すべきその店があるからこそ、地域は活性化されるはずなのに。 ただ、リスナーをそのようにしたのは、僕たち店側に原因があることはもちろんです。僕がその原因のひとつだと思うのが 『試聴機』 昔は試聴なんて出来なかった。いや実際は出来る。しかしそれは店のスタッフに認められた者のみ。耳の肥えた、いやそれまで何百万円もそれに投資し黄金の耳を手に入れた者(