多大な犠牲が生じている。大変な事態となっている。そんな折に、政府関係者などからしばしば発せられているのが、「想定外の出来事」あるいは「1000年に1度の大震災」という発言だ。 確かに、そうかもしれない。しかし率直に言って、これらの言葉を見聞きするたびに違和感を覚える。命を奪われた犠牲者を前にして、これらの修辞は何の意味も持たないからだ。それだけではない。これらの発言の後に、「だから……」という弁解めいた言葉が続きそうな印象すら受けてしまう。 問われるBCP体制 たとえ不測の事態に直面したとしても、企業や公的機関は、そんな言葉を吐かずに済むようにしておく必要がある。そのために、平時から取り組むべき課題なのが、震災、テロなどの非常事態発生に備えた事業継続計画(BCP、Business Continuity Plan)と、その体制整備である。 BCPは文字どおり、不測の状況下でも、その組織