「この状況が続けば、店を畳まざるを得ません。そうすれば、猫たちの行き場もなくなってしまう」。大阪・難波で保護猫カフェ「猫の恵庭」を経営する中野理恵(なかの・りえ)さん(33)が猫をあやしながらこぼす。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため3月末から休業。収入はなくなり、苦しい状況が続く。大阪府は5月16日、一部の施設への休業要請を解除したが、「ここで緩めたらまた感染が広がってしまうから、店は当面開けられない」。ウイルスが人間に及ぼす影響は、共に生きる猫にまで波及している。(共同通信=坂野一郎) ▽店に泊まり込む 「だんご、頑張れ。ちゃんとお水飲んで。頑張れ、頑張れ」。5月6日、中野さんは客のいない静かな店内で、病気の猫に薬をあげていた。推定15歳になるおばあちゃん猫の「だんご」は猫カリシウイルスによる肺炎を患い、自分の力で食事ができない状態だ。看病するため店に泊まり込む日々が続いている。「