あるかないか、それは文法体系(考え方)の違いです。中学校で教えている現代国語の文法は、万葉集の仮名遣いの研究でも有名な国語学者橋本進吉(1882-1945)が体系化した橋本文法を下敷きにしたものです。古さが目立ちますが、今でも使われています。橋本文法では目的語という概念は使いません(連用修飾語)。学校文法を教えるのが先生の仕事ですから、「日本語には目的語はない」と言われるでしょう。しかし正確には、「学校で教えている(橋本)文法では、目的語という概念を使わない」と言うべきです。学校文法以外の日本語学の世界では、目的語という用語・概念が普通に使われているということは、先生も知っているはずです。ただ、それを言うと生徒は混乱し授業になりません。よって、それは大学あたりで必要な人は学んでください、という立場なのだと思います。 最近の辞書であれば、たとえば「食べる」を引くと、【他下一】(=他動詞の下一