「お前らなんて奴隷みたいなもんだろ」 都内の公立病院で調理補助の仕事をしていたハルオさん(仮名、36歳)は、職場の調理師からこう言われ、胸ぐらをつかまれた。ハルオさんは病院が外部委託した民間事業者の契約社員。これに対し、調理師は病院が直接雇用した公務員である。とんでもない暴言だが、年収200万円の委託先労働者が奴隷としか言いようがない格差の下で働いていることもまた事実だった。 典型的な「ブラック職場」 問題は賃金水準だけではないと、ハルオさんは言う。まず、会社から最初の3カ月間は社会保険はなしだと言われた。理由は「すぐに辞める人がおり、(加入させると)入退社の手続きが煩雑になるから」。意味不明だし、違法である。ハルオさんはその後、1年以上にわたり社会保険未加入の状態を強いられた。 また、始業前の着替えや手洗いの時間は“ただ働き”。専用の白衣や帽子を身につけ、規則にのっとった手洗いを済ませる
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