NHKの看板番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑は、「過剰な演出」であり、「やらせ」ではなかったという結論が出ました。 あくまでも、NHKのガイドラインに沿って、「事実の再現の枠をはみ出して、事実の捏造(ねつぞう)につながるやらせは行っていない」と判断したということです。 「過剰な演出」と「やらせ」の違いはなんでしょうか。 今回は、ブローカーと多重債務者という2人の男性を仕込んで、撮影に臨んでいます。たとえブローカーも多重債務者も真実としても、「仕込んだ」うえで撮影するということは「演出」にあたります。 この「演出」を、視聴者は広い意味で「やらせ」と受け止めているのではないでしょうか。 筆者が地方支局で駆け出しのころ、展覧会の取材に行きました。飾られた絵と見ている人を一緒に写真に収めようとすると、見ている人は背中を向いてしまいます。 絵も見ている人の顔も収めるには、少々構図をつくらないと