本研究では、アクリルアミドフリーのコーヒー飲料の開発を目的に、セルフクローニング株のコーヒー抽出液のアクリルアミド低減効果の確認およびコーヒー抽出液の評価を行った。YPD培地でセルフクローニング株を培養し、菌体を洗浄後、コーヒー抽出液中に添加し菌体内アミダーゼ活性とアクリルアミド分解活性を評価した。10ppm濃度に調製したコーヒー抽出液のアクリルアミドは、セルフクローニング株による処理で6時間後には消失した。麹菌処理後のコーヒー抽出液に含まれるカフェイン、クロロゲン酸類、有機酸類は、コントロールと比較しやや減少する傾向を示した。GC-MSによる香気成分分析では、麹菌処理コーヒーはワインや日本酒などの香気の構成成分である1-プロパノール、酢酸エチル、2-メチル-1-ブタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコールの濃度がコントロールと比較し著しく増加した。また、訓練パネリストによる官能