著者(1935-2012)は、おもに平安時代や鎌倉時代の古記録を研究された方です。横浜国立大学名誉教授。 本の内容: 「日本漢文」には、中国の漢文の語彙や文法に則った「純漢文」の作品と、漢字ばかりで書いてあるけれども実は国語文を綴った「変体漢文」の作品があります。 当サイトで紹介しているのは「純漢文」作品に限っているのですが、ほんとうに難しいのは実は「純漢文」よりも「変体漢文」のほうです。なぜかというと、「純漢文」は漢和辞典や漢文語法の解説書を参考に読解することができますが、「変体漢文」にはそのような語彙解説書や文法解説書が完備されていないからです。 本書では日本漢文をおおむね次のように分類しています。(16ページの要約) (1)純漢文 (2)和化漢文(和習を含む漢文) (3)変体漢文(漢文様式の国語文) (4)真仮名文(万葉仮名) (2)から(4)までが広い意味での「変体漢文」になるわけ