第一の壁となった3000件の「用地取得」。限界まで努力したが、涙を飲んで法手続に着手――外環道(千葉区間)開通の裏側に迫る<第1回> 6月2日、いよいよ東京外郭環状道路(通称「外環道」)の千葉区間(三郷南IC~高谷JCT)が開通した。このプロジェクトに費やされた時間は約50年、総費用は約1兆5000億円にものぼる。もちろん、すんなりと開通の日を迎えられたわけではなく、この50年の間にいくつもの高くて分厚い壁がプロジェクトメンバーの前に立ちはだかった。そこで共同で事業を進めてきた国交省と東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)の両現地責任者や現場スタッフに取材。外環道千葉区間開通プロジェクトの知られざる“真実”に迫った。 慢性的な渋滞を減らすだけではない ▲外環道 東京外郭環状道路(以下、外環道)はその名の通り、首都圏の少し外側、半径約15kmのエリアを結ぶ延長約85kmの環状の幹線道路で