文化庁の平成22年度「国語に関する世論調査」の結果が公表されました。この調査については、「いったいどれほどの税金をつぎこんでいるのだろう」という個人的な疑念はありますが、それは置いておきます。ことばの変化や、人々の意識の変化について、有益な情報が含まれていることは確かです。ところが、メディアは、これを単なる「正しいことば遣い調査」ととらえているふしがあります。 調査には、〈本来の言い方〉と、新しい言い方のどちらを使うか、という設問はありますが、「こちらが正しい言い方」とはどこにも書いてありません。価値判断は持ちこまずに、ことばの変化を調べています。それが、ニュースでは、「正しい言い方をしている人何パーセント」などと表現されます。調査の趣旨が単純化されて、「○×クイズ」になってしまうのです。 調査項目のうち、「間が持てない」「間が持たない」を取り上げましょう。これは、どちらが誤用とも言いがた
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