【トラブルに克つ】事例研究(2)〜東証システム障害、米金融機関のテロ対策に見る、事業継続計画(BCP)の重み (真弓 重孝=日経ビジネス記者) 2005年11月1日、東京証券取引所で売買システムの障害が起きた。その当日、東証のシステム部門では「キーセンター」と呼ばれる組織が急遽立ち上がった。 この組織はシステムで何らかの障害が発生した時に、その障害の度合いをまず分析する。例えば復旧までにどの程度の時間がかかるのか。1時間、半日、それとも1日以上なのかを判断する。また障害は現物売買システムに限られるのか、派生商品売買、さらにクリアリング(精算)など複数にまたがり大規模なものなのかを判断するのだ。 発生した障害が、復旧までに1日以上かかったり、複数のシステムにまたがったりするような大規模な障害と認定されれば、東証では「BCP」の問題として対応を取る。 平時のリスク管理、有事のBCP