◇「薦めたい」本のソムリエ 東京都江戸川区。都営新宿線篠崎駅から歩くこと5分。「読書のすすめ」という一見、書店とは分からない看板が目に入る。足を踏み入れると、「心がモヤモヤしている時はシンプルに考えてみよう!」「キッカケって思わぬところに落ちています」「彼女できます」と手で書いた宣伝文句が本の間から飛び出していた。それも段ボールに手書き。よくある「新刊」「ベストセラー」といった文字は見当たらない。 「読書のすすめ」は店名通り、お薦めの本を置いている書店だ。客の話を聞いて、その人にあった本を薦める。100万人以上に本を薦めてきた清水克衛(かつよし)店長(50)は「本のソムリエ」と呼ばれている。 清水さんの前職はコンビニの店長。10年目に大学時代の柔道部の先輩に声をかけられ、周囲の反対を押し切って1995年に「読書のすすめ」を開いた。「世間で売れている本は小さな本屋には入ってこない。矛盾に腹が