「日本の伝統色」の魅力 古(いにしえ)より伝わり、現代に至るまで深く生活の中に息づいた日本特有の色彩感覚は、日本文化の一面として大変価値あるものです。 色彩にみる伝統的美意識は、今日でも共感しうるものとして人々の生活の中に溶け込んでいます。伝統色にはさまざまな由来がありますが、ここでは日本人的感性として取り挙げられることの多い「四季」に因んだいくつかの伝統色を詩的散文とともにご紹介します。 梅の花色がほころぶ早春の、柔らかい風に暖かさを感じる。 草木が萌え、可憐な野の花が春の訪れを告げる。 のどかでうららかな景色に鳥たちの美しい鳴き声が響く。 やがて色とりどりの花が咲き乱れ、薄紅の桜が霞み、 華やかな春の饗宴が繰り広げられる。 桜色 (さくらいろ) SAKURA IRO 紅梅色 (こうばいいろ) KOUBAI IRO ねこやなぎ色 (ねこやなぎいろ) NEKOYANAGI IRO 菜の花色